勉強する環境によって勉強成果は何倍も変わる(4)
勉強する環境によって勉強成果は何倍も変わる(4)
~ 「鶴の恩返し勉強法」の極意 ~
勉強といいましても、私は、以下のような掛け算で考えています。
(勉強成果)=(勉強時間)×(勉強密度)
今まで、以下の2つについて、説明してきました。
1.勉強時間を増やす前に、勉強密度を上げてみましょう
2.忙しい人でも勉強時間を確保する方法
今回から、1と2を進める上で、大事な「勉強する環境」について、説明したいと思います。
「鶴の恩返し勉強法」とは
(「脳を活かす勉強法(茂木健一郎著)」より)
自分を助けてくれた人のために、鶴が全身全霊をかけてすばらしい反物を仕上げるシーン「決して私が織っているところを見ないでください」という、あれです。
その鶴のように勉強するのです。
ありとあらゆる手をつくします。
目で読みながら、手で書きながら、声に出しながら、まさに全身を使って覚えていくのです。
その様子は、ちょっと人には見せられません。
「鶴の恩返し」のように、見られると困るのです。
他人の目を気にする余裕などなく、とにかく目の前の勉強にのみ集中している状態、自分を助けてくれた人のために、鶴が全身全霊をかけてすばらしい反物を仕上げるシーン、 「決して私が織っているところを見ないでください」という、あれです。
図書館やカフェで勉強するのは、他人の目を気にする、名誉欲を利用するものですが、「鶴の恩返し勉強法」は、他人の目を気にしない環境をつくるものです。
「鶴の恩返し勉強法」の極意
「鶴の恩返し勉強法」とは、ある部屋に閉じこもることだけでなく、他人の目を気にしなくてもよい環境をつくることです。
これが「鶴の恩返し勉強法」の極意です。
・自分の部屋で閉じこもる
・他に誰も来ない空き教室で勉強する
・川原で大声で叫ぶ
・トイレに入る
・電車の隅で、壁や窓に向かって口ずさむ
・周囲に人がいても、周りの人に聞こえないように口ずさむ
これらも「鶴の恩返し勉強法」になるでしょう。
他人の目を気にしないようにして勉強していますから、そんな時は、私がいいと言うまで、声をかけてほしくないものです。
「鶴の恩返し勉強法」の実践
「鶴の恩返し勉強法」とは、どんな勉強をしている時に、最も効果を発揮するかというと、暗記です。
以前、誰でも簡単に暗記ができる「皿回し暗記法」を紹介しました。
暗記のポイントは、音読で反復させることにあります。
声を出す時は「鶴の恩返し勉強法」です。
「脳を活かす勉強法」からも紹介したいと思います。
記憶は、脳の大脳皮質にある側頭葉の側頭連合野に蓄えられます。
側頭連合野は、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚といった五感や、自分が行動する動機や心的態度などのさまざまな機能、いわゆる「モダリティ」を統合するところでもあります。
この連合野には、さまざまなモダリティから働きかけた方が、記憶が定着しやすい特徴があります。
とにかく大量に読み、大量に書き、大量に聞いて、大量の問題を解く。
これが脳に記憶を定着させる唯一の方法なのです。記憶には、「短期記憶」と「長期記憶」の二種類があります。
「短期記憶」とは、すぐに消えてしまうもの、「長期記憶」とは、忘れようと思ってもいつまでも頭の中に残っているもの
さまざまなモダリティから働きかけると、扁桃格と同時に海馬をも活性化させ、記憶が定着しやすくなります。
そして、海馬に記憶されているもののうち、何度も反復して脳にアクセスされたものは、「重要である」と判断され、側頭葉に送られて、長期記憶として定着するのです。
大量に音読するためには「カフェ勉強法」ではなく「鶴の恩返し勉強法」が効果を発揮します。
「カフェ勉強法」では、周りの目がありますから、大きな声を出したり、動きながら何かをしたり、意味不明な言動をとったり(笑)することは、できません。
「皿回し暗記法」で音読する時は、「鶴の恩返し勉強法」を利用しましょう。
まとめ
「鶴の恩返し勉強法」とは、ある部屋に閉じこもることだけでなく、他人の目を気にしなくてもよい環境をつくることです。これが「鶴の恩返し勉強法」の極意です。
・皿回し暗記法は、人の目を気にせず、とにかく、回転させるのが大事。その為には、「鶴の恩返し勉強法」がよい。
(関連)
→ 勉強法って何?知らないと損する目からウロコの勉強法(1)
あさだ よしあき
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