「勉強時間を増やす」前に「勉強密度を上げる」(10)
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「勉強時間を増やす」前に「勉強密度を上げる」(10)
~ 小さな成功体験に至るまでの動機づけ ~
試験合格請負人のあさだです。
現在、勉強密度と密接な関係がある「集中力」をあげる勉強法について、説明しています。
「集中力」が低い時と高い時では、全く異なります。
高い集中力がずっと続けばよいのですが、どんな好きなことでも、続けていると、疲れて、集中力が落ちてしまいます。
そんな時は、同じ勉強を続けるのではなく、違う分野の勉強に切り替えるのが一番望ましいです。
勉強を切り替える際のポイント、それが「サンドイッチ勉強法」です。
好きな科目があると、サンドイッチ勉強法ができるようになります。
勉強の切り替えもうまくいき、高い集中力を持続することができ、勉強成果も上がっていきます。
そのためにも、まず、好きな科目、得意な分野をつくるのが大事です。
では、どうしたら、好きな科目ができるのか、また、どうしたら、勉強すること、学ぶことが好きになるのでしょうか。
小さな成功体験が大事ということで、今まで、説明しました。
自分で動機づける
自分の毎日の生活で、失敗物語ではなく、成功物語を描いて、行動し続けるには、自分で動機づけることが大切です。
心理学のテストに「マシュマロ・テスト」があります。
4歳の子供に次のように言います。
お使いに行ってくるからね。
おじさんが戻ってくるまで待っててくれたら、ご褒美にこのマシュマロを2つあげる。
でも、それまで待てなかったら、ここにあるマシュマロ1つだけだよ。
その代わり、今すぐ食べてもいいけどね。
子供が「衝動」or「抑制」、「欲望」or「自制」、どちらを選ぶかをみるテストです。
「抑制」「自制」を選ぶ子供、つまり、2つのマシュマロのために、おじさんが戻ってくるのを待てる子供は、自分を動機づけることが上手なわけです。
逆に「衝動」「欲望」を選ぶ子供、つまり、おじさんが戻ってくるのを待つよりも、今の1つが欲しい子供は、自分を動機づけることが下手ということです。
この「マシュマロ・テスト」は、多くのことを語ってくれます。
その子がたどる人生の軌跡まで想像することができます。
「勉強をやろう」と動機づけられるかどうか。
動機づけられれば、それがスイッチとなり、「まずやってみよう」と言い、成功物語をイメージして、
・ドーパミンによる強化サイクル
・やる気の自家発電
・「ピグマリオン効果」
やがて好きな科目が出てくるようになります。
「勉強が好き」以外の動機づけ
もともと「勉強が好き」な人は、それが動機づけになりますが、「勉強が好き」でない人は、どんな動機づけが考えられるでしょうか。
・好きな異性に「すごい!」と言われる
・親から欲しいものが買ってもらえる
・クラスの人気者になれる
・いつか諸葛亮孔明のようになれる(私のことです)
などなど
どんなものであっても、本人の動機づけになればよいのです。
動機づけが上手な人は、自分なりの動機づけを見つけている人です。
「勉強」そのものの動機づけ
「こんな勉強をして将来の何の役に立つのか」
「年をとってからでも勉強したくなったら勉強すればいいじゃないか」
さまざまな勉強をしたくない言い訳が出てきます。
「勉強」そのものの動機づけとして「脳を活かす勉強法(茂木健一郎著)」を紹介したいと思います。
プロの将棋をテレビで見たことはないでしょうか。
将棋の対戦が終わりますと、棋士は、すぐに帰るのではなく、対戦相手と一緒に、局面を振り返っています。
もしあの時に自分がこう指していたら、相手はどう対応していたか。
お互いにどこがよかったか、敗因は何だったのか。
技術の向上を目指して徹底的に議論を行うのです。
時には、対局以上の時間をかけて議論を続けることもあるそうです。勉強を通して、自分の欠点や弱点、ミスを直視して、その原因を自分自身で論理的に突き詰めて、対策を考える、修正していく。
このような姿勢を学ぶのが、正しい勉強法ではないでしょうか。『脳を活かす勉強法(茂木健一郎著)』
試験の前に、自分で問題集を解いてみますと、間違う問題が出てきます。
その時に
・「たまたま間違った」「ケアレスミスだ」「仕方がない」といって、自分の間違いを直視しない人。
・どうして間違ったのか、どうしてケアレスミスをしたのか、論理的に考えず、感情的に流されてしまう人。
・どうしたら同じ問題を間違えないか、ケアレスミスをしないか、対策を考えず、同じ問題を間違えてしまう人。
こんな人は、点数は、やっぱり伸びないです。
また、苦手科目、苦手分野は、誰しもあります。
「自分は○○は苦手だから」と諦めてしまっては、点数が伸びることはありません。
試験でよい点数をとることをきっかけにして、自分の欠点や弱点、ミスを直視して、その原因を自分自身で論理的に突き詰めて、対策を考える、修正していく。
このような姿勢を学ぶのが、正しい勉強法ではないでしょうか。
このような姿勢を、勉強を通して、学ぶことができれば、間違いなく、社会に出ても、役立ちますし、仕事でも同じことがいえます。
「勉強をやろう」と動機づけられれば、それがスイッチとなり、
・ドーパミンによる強化サイクル
・やる気の自家発電
・「ピグマリオン効果」
やがて好きな科目が出てくるようになります。
「自己効力感」
心理学の「自己効力感」という言葉があります。
楽観的な人は失敗の原因を変更可能な要素と受け止め、次回は成功できるだろうと考える。
悲観的な人は失敗が自分のせいだと思い、性格だから変えようがないと考える。
このような解釈の違いは、人生に立ち向かう姿勢を大きく左右します。
希望や楽観の元にあるのは、心理学でいう「自己効力感」です。
つまり、自分は、自分の人生を掌握できている、難題にも対応できる、という自信です。
得意な分野ができるとその人の自己効力感は強まり、より大きな目標を目指す意欲が出てきます。
そして、その難局を乗り切ると、それがまた自己効力感を強化する。
自己効力感によって、人は自分の持っている才能を最大限に生かすことができます。
まとめ
○小さな成功体験に至るまでの動機づけをする。
自分の動機になるなら、どんなものでもよい。
○勉強そのものの動機づけ
試験でよい点数をとることをきっかけにして、自分の欠点や弱点、ミスを直視して、その原因を自分自身で論理的に突き詰めて、対策を考える、修正していく。
このような姿勢を学ぶのが、正しい勉強法
○「自己効力感」
小さな成功体験により自己効力感が強化される。
○勉強とは、単に知識を詰め込むことではなく、社会へ出るまでのトレーニングといえます。
○正しい勉強法を通して、「自己効力感」を高め、自分の持っている才能を開花させていきましょう。
(関連)
→ 勉強法って何?知らないと損する目からウロコの勉強法(1)
あさだ よしあき
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