線香を立てる意味とは?|線香に見る今限定の人生観

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心穏やかアドバイザーのヒロカズです。
父が亡くなって1年が経ちました。
1年前は毎週病院に通っていたのが夢のようです。
光陰矢のごとしと言われますが、あっという間ですね。

線香を立てる意味

亡くなって1年と聞くと「もう1年経ったのか」と思うくらい月日の流れの速さを感じます。
墓参りに行き、墓前にて在りし日のことを振り返ると涙が浮かんできますが、どれだけ涙を流しても死んだ人は二度と生き返ることはありません。

線香を立て、じっとその炎を見つめていると線香が燃える様子がまるで人間の一生を表しているようです。

火をつけた線香がゆっくりと燃え、徐々に短くなっていき、やがて白い灰になってしまう。
火がついている間は線香のかぐわしい香りが漂いますが、どれだけかぐわしい香りを漂わせた線香も燃え尽きた後に残るのは真っ白な灰だけです。

まるで、生きている間に多くの人から褒められ、認められた人であっても、最後は線香のように真っ白な灰になる末路を象徴しているかのようです。
線香を立てる意味はいろいろあるのかもしれませんが、線香の意味は亡くなった人にではなく、生きている人が燃える炎に我が身の人生を重ね、限りある人生に真に求めるものは何かを問いかける機会なのかもしれません。

人生は線香のように長さが決まっていない

限定発売と聞くと「今しかない」と思って発売日前日から徹夜で並ぶ人がありますが、日々、期間限定で発売されている一人一人の時間に対して徹夜で並ぶくらいの真剣さで向き合っている人はどれだけあるでしょう。

火のついた一本の線香と同じようにすべての人は生まれた瞬間に限定発売された人生を買っているようなものです。
線香の長さはだいたいどれも同じですが、人生の長さは線香のように決まっていません。
なぜなら、人はいつ死んでいくかわからないからです。

我や先、人や先、今日とも知らず明日とも知らず

と蓮如上人(れんにょしょうにん)が言われているように、今日や明日にもスッと火が消えて燃え尽きた線香のようになるのが人の命だと言われています。
線香が燃え尽きるまでの時間を測ることはできても人生の長さを測ることは誰にもできないでしょう。

お釈迦様のご指南

お釈迦様が命の長さについて修行者にお尋ねになったことがあります。

修行者の一人は「命の長さは5、6日間でございます」と答えましたが、お釈迦様は納得されませんでした。
次の一人が「命の長さは5、6日なんてありません。食事をする間でございます」と答えましたが、納得されませんでした。
最後に「命の長さは一息つく間しかありません。吸った息が出なかったらそれでおしまいでございます」と別の修行者が答えるとお釈迦様はその答えを大いに称讃され、「そうだ。そなたのいう通り命の長さは吸った息が出るのを待たぬほどの長さしかないのだ。命の短さが段々に身にしみて感じられるようになるほど、人間は人間らしい生活を営むようになるのだ」とおっしゃったとお経には記されています。

まとめ

今日や明日にも燃え尽きるのが命の火ならば、命の期間は今しかないのかもしれません。
墓前に立ち、線香の火を眺めることで今限定の命の火を知れば、今の一瞬、一瞬を大切にせずにおれないでしょう。

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ヒロ☆カズ

チューリップ企画のヒロ☆カズです。 31歳で肝臓の病気にかかり、2度の入院を経験しました。朝起きて仕事に行く。休日は友人と出かけるという当たり前の日常を失い、初めて、朝起きて仕事に行けることが当たり前でないことに気が付きました。 当たり前の1日がかけがえのない1日であることに気づけば、悩みが感謝の心へ変わるのかもしれません。闘病中に読んだ本や勇気をもらったさまざまな言葉からヒントを紹介したいと思います。
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