一人暮らしの高齢者を孤独感から救う|家族以外と過ごす選択肢
こんにちは。こころの悩みサポーターのこうへいです。
ある80代の男性と話をしていると、その方は1年ほど前に振り込め詐欺の被害に遭われ、大金を取られてしまったそうです。
そのことで息子さんに激しく叱られ、自分で貯めたお金さえも自由に使えないようになってしまったと嘆いておられました。
近年、振り込め詐欺に代表されるような高齢者を狙った詐欺が後を絶ちません。
手口もより巧妙になり、手を変え品を変えて、だまそうとしてきています。
目次
一人暮らしの高齢者の抱える孤独感が詐欺被害の背景にある
これらの詐欺の被害が後を絶たない背景には、一人暮らしの高齢者の増加と一人暮らしの高齢者が抱える孤独感があると言われています。
先の方が被害に遭われた振り込め詐欺でも、子供や孫と普段から頻繁に連絡を取り合っていれば、だまされることはなかったかもしれません。
また近くに相談できる人がいれば、防げたかもしれません。
一人暮らしの高齢者の話し相手になったり、親切にすることで、高齢者の信頼を得て、不当に高額な商品を買わせるというものもあります。
これは一人暮らしの高齢者が抱える孤独感に付け込む詐欺の典型と言えるかもしれません。
孤独は健康にも悪い影響を及ぼすことが分かってきています。
詳しくはこちらの記事で
孤独があなたを殺す|ひとりぼっちにならないための心がけ
一人暮らしの高齢者の孤独感を解消するには、どのようなことが考えられるでしょうか。
まず思い浮かぶのは、子どもとの同居でしょう。
しかし、現実には難しい面があるようです。
内閣府の平成26年版高齢社会白書によると、65歳以上の高齢者の子どもとの同居率は、昭和55年にはほぼ70%でしたが、平成11年には50%を割り、平成24年には42.3%になっています。
高齢者の中にも、子ども家族の負担などを考え、あえて子どもとの同居を望まない人も増えているそうです。
一人暮らしの高齢者が家族以外と過ごす選択肢
そこで最近は、家族以外の人と老後を過ごすという考えが広まり、いろいろなサービスが提供されています。
いくつかを紹介したいと思います。
地域のサークルや習い事
それぞれの地域の公民館や文化会館などで行われているサークル活動や文化講座に参加することで、多くの知り合いができます。
共通の趣味や関心事があるために、縁が深まりやすいようです。
私もたまに公民館を利用することがありますが、詩吟、オカリナ、ヨガ、体操、華道、俳句、コーラスなど多くの人が参加されているのを見かけます。
この時期は文化祭で発表や展示が行われている地域もありますので、出かけてみると心惹かれるものがあるかもしれません。
昨年には少人数で映画の上映会を行うことのできる「ポップコーン(popcorn)」というサービスが開始されました。
公民館や喫茶店などで、好きな映画を見て、交流する集まりが各地で行われるようになってくるかもしれません。
高齢者向けシェアハウス
シェアハウスとは、入居者がプライベートな部屋で生活しつつ、リビングなど共有スペースでコミュニケーションをとれる住まいの形式を言われ、若者の間で流行っています。
高齢者向けのシェアハウスも最近できているそうです。
有料老人ホームなどに比べて費用も安く抑えられますし、プライバシーも保ちつつ、適度な距離感で付き合えるという利点があるようです。
高齢者のみの施設もあれば、若者も一緒に住むような所もあるようです。
若者・大学生とのホームシェア
自宅で一人暮らしをしていて、使っていない部屋もたくさんあるという方には、ホームシェアという方法もあります。
経済的に厳しい学生に自宅に一緒に住んでもらうというものです。
日中はそれぞれで過ごし、週に何日か夕食から夜の時間を共に過ごすことで、世代を超えたつながりが生まれるのだそうです。
間を取り持ち、サポートをしてくれる団体がありますので、困ったことがあれば相談に乗ってもらえるようです。
まとめ
一人暮らしの高齢者が増える中で、孤独感を抱えている人が多くなってきているようです。
孤独感に付け込まれ、詐欺などの犯罪の被害に遭う高齢者は後を絶ちません。
老後を誰と過ごすのか、相手は子どもや家族ではない選択肢も増えてきています。
今回、紹介したものはほんの一部だと思いますし、これからさらに選択肢は増えてくると思います。
孤独を感じたら、自分に合ったものを探してみたらいいかもしれません。
こうへい
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