どこまで相手に合わせる?|人間関係に疲れた人が考えるべき境界線
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
学生時代、周囲の人間模様を観察するのが好きだった、お悩み解消研究家のわかです。
学生のころ、私にとっての重要な課題は、いかに学校での時間を過ごしやすくするか、ということでした。
その点において、特に気にかけていたのは人間関係です。
人間関係を損ねてしまうと、一気に学校での居場所がなくなってしまうからです。
相手の言ったことは決して否定しない。
皆がやりたいことに自分も付き合う。
とにかく空気を読んで、相手の機嫌を損ねないようにする。
好かれないまでも、最低限嫌われないようにするためには、相手に合わせることが何よりも効果的でした。
しかし、相手に合わせすぎると、自分自身はものすごく疲れてしまうんですよね。
「人間関係に疲れた」という人の多くは、無理して相手に合わせてしまっているのではないかなあと思います。
今回は、人間関係で自分の精神をすり減らす前に、どこまで相手に合わせるべきかの境界線を考えてみます。
人間は皆仮面をつけている
英語で人間のことをperson(パーソン)と言いますが、これはラテン語のpersona(ペルソナ)からきているそうです。
ペルソナとは、「仮面」のこと。
この話を初めて聞いた時、妙に納得したのを覚えています。
普段人と接する時、私たちはある程度自分を取り繕っています。
それはちょうど、仮面をつけているようなものです。
相手との関係性によって仮面をつけ替え、その場に合った自分を演じているのです。
そして、人間関係に気を遣う人であればあるほど、分厚い仮面を何枚も重ねて素顔を隠しています。
自然体で生きている人でも、小さな子どもと接する時と、目上の人と接する時では、話し方や態度を変えていると思います。
人によって程度の差はありますが、私たちは誰しも仮面をつけて生きているのではないでしょうか。
なぜ仮面をつけるのか?
では、どうして仮面をつけなければいけないのでしょう?
世界には70億の人類がいると言われていますが、それぞれに価値観は異なります。
同じ日本人でも、住んでいる場所や年齢が違えば、考え方や感じ方は全く違うのです。
そうなると、誰にでも同じような態度をとるわけにはいきません。
言葉ひとつとっても、全く気にしない人もいれば、それによって喜ぶ人、傷つく人、怒りを感じる人、様々です。
相手がどんな性格の人か、どういう立場にいる人か、よく見て、言葉や態度を選んでいかなければ、角が立ってしまいます。
ですから、本当は思っていないことでも言わなければならないこともあるでしょうし、心の中は泣いていても、笑顔を作らなければいけないこともあるでしょう。
自分の素を隠して仮面をつけること、すなわち、人に合わせることというのは、最低限の礼儀として必要なことなのです。
人間関係に疲れた人へ贈る言葉
人に合わせるのは必要なこととは言っても、学生の時の私は、それによって相当疲れていました。
人間関係が嫌になるほどでした。
なぜ、そんなことになってしまったのでしょうか。
嫌われたくない、いい人だと思われたいという気持ちが強いあまり、自分を押し殺してひたすら仮面をつけ続けていたからです。
誰でも、自分にとって都合のいい相手は嫌いになりません。相手にとって都合のいい人格でいることで、嫌われずに済むようにしていたのです。
無理して相手に合わせていたから、疲れてしまっていたんですね。
しかし世の中、こちらを立てれば、あちらが立たず、あちらを立てれば、こちらが立たず。
70億の人類がいるのに、それらすべての人にとって都合のいい人間でいることは不可能です。
皆から好かれようなんて、根本的に無理な話でした。
それに気づいたころ、お釈迦さまが「すべての人から褒められる人もいないし、すべての人から非難される人もいない」と言われていることを知りました。
100%好かれている人はいない。
100%嫌われている人もまたいない。
その言葉は、私の中にコトっとおさまったのです。
そして、私はこう考えることにしました。
無理して合わせなくても、この広い世界には、私のことをよく思ってくれる人が1人や2人くらいいるはずだ、と。
その人たちこそ大切にしようと決めたのです。
そう考えるようになってから、無理して合わせることもなくなり、人間関係に疲れることも格段に減りました。
人にどこまで合わせるべきかの境界線
人に合わせることは大事なこと。
しかし、合わせすぎても自分が疲れてしまう。
何事もほどほどがいいのですが、その境界線を引くのが難しいところです。
時々、すごく自然に皆の中に溶け込み、多くの人から好かれる人に出会います。
自分自身が接していても、嫌なところが全くなく、素直に好感を持てるのです。
そういう人を見ていると、大事なのは相手に好かれることではなく、誠実でいることなのだなあと思います。
相手に好かれることに主眼を置いてしまうと、何もかもを合わせなければと思ってしまうのですが、それでは自分が疲れてしまいます。
相手との関係を作る時、何もかもを合わせる必要はありません。
相手に好かれるかどうかを気にするよりも、自分自身が誠実でいることを大事にしたほうが、人間関係はずっとうまくいくのではないでしょうか。
合わせるという行動は、あくまでも相手に対しての誠実な言動の1つとして出てくることなのです。
ですから、「相手を尊重する上で必要であれば合わせる」というぐらいがちょうどいいように思います。
まとめ
人に対して誠実な言動をするときには、相手のことをよく見ることが大事です。
その点、人間関係に疲れるほど相手に合わせてきた人は、相手のこともよく見ていたはず。
その経験は、大きな力になると思います。
こちらの記事では、仮面をかぶっていると理解することの大切さを紹介しています。
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わか
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