伝説の営業マン「ジョー・ジラード」のすごい営業テクニックとは?
こんにちは、暮らしを良くする研究家のこんぎつねです。
あなたはなかなか自分が売っている物が売れなくて困っていることは無いでしょうか。
「お客さんから好かれること」
これが販売・営業においてとても大事なことだと語るセールスマンがいます。
「もっと売らなくてはいけないのにちっとも売れていない」
「ノルマがきつくて胃が痛くなってきた」
「営業テクニック本を呼んでも営業のコツがわからない」
そんなあなたにぜひ紹介したいのがジョー・ジラードという伝説のセールスマンです。
ジョー・ジラードとは何者か?
ジョー・ジラードは1928年デトロイトの貧しい家に生まれます。
高校まで行ったものの中退し、その後職に就きますが合わずに転職。次の職も合わずに転職。さらに次の職も合わずに転職。これを繰り返して40余りもの職を転々とした後35歳のとき、ミシガン州のシボレー(アメリカの自動車メーカー『ゼネラル・モーターズ』が製造・販売する自動車のブランド)販売店に就職します。
その後わずか3年で営業成績トップへと登り詰め、12年間連続してNo1セールスマンの地位を維持し続けました。
この記録はギネスブックに登録され、現在も破られていません。
セールスマンとして活躍した15年間に売った自動車の台数は13001台で、1日18台売ったこともありました。
ジョー・ジラードの営業テクニック
ジョー・ジラードが打ち立てた営業テクニックはいくつもありますが、そのうち少しだけ紹介します。
もしもっと知りたければ私に売れないモノはない!という本を読まれると、もっと詳しくわかります。
250の法則
250の法則という営業テクニックは
「人は誰でも結婚式や葬式に招待するぐらいの知人が250人はいる。
営業の顧客として50人の人と出会い、その内の2人が接客に不満を持った場合、始めは2人でも口伝いに伝わって1年後には5000人くらいに膨れ上がっている。
逆に目の前の人が自分の接客に満足してくれた場合、その人の後ろには250人がおり、その中の1人にでも自分の接客について話してくれればそれを聞いた人は見込み客になる」
というものです。
ジョー・ジラードは誠実な態度で商品の価値を伝えることを第一としました。
そのため、商品について誇張した説明をして客をだますことはしませんでした。
もし誇張して買わせることができても、後で相手が不満に思えばそれを250人に話してしまうからです。
物でなく人を重視
ジョー・ジラードは車を売った後のことも考えました。
「1台を売る暇があれば、アフターサービスに力を注ぐ」と言い、もしもお客さんが故障した車を持ってくれば25分以内に修理することを決めていました。
修理で高価な部品代が発生しても「お代はけっこうです。私はお客様のことが大好きなんです。またいらしてくださいね」とお金を請求しなかったこともあったそうです。
そして毎月1万3000人以上のお得意さん一人ひとりにメッセージを印刷した挨拶状を送っていました。
種類は新年、バレンタインデー、感謝祭など色々ありましたがメッセージの内容は一貫していました。
「あなたが好きです」
と書いてあったのです。
この文面についてジョー・ジラードは
「挨拶状には何もいらないのです。自分の名前以外には何もね。私がお客様に好意を感じているということを伝えるだけでいいんです」
と言っています。
また、実際に修理をするスタッフにも優しくしました。
お客さんに車を25分以内に直して返すと約束しても、スタッフが修理してくれなければ約束を破ることになるからです。
そこでジョー・ジラードはスタッフをねぎらい、月に1回おしゃれなレストランへ連れて行き、自分でお金を出して食事をごちそうしていました。
また年に1度、スタッフとその家族を呼んで自宅でバーベキューを開きました。
これに喜んだスタッフたちはジラードのためならがんばろうと働いてくれました。
好きなセールスマンと納得できる価格
ジョー・ジラードに「あなたの営業テクニックを教えてください」とインタビューで尋ねたときに
「公正な価格と、この人から買いたいと思うような人格です。それだけです。自分が気に入ったセールスマンと納得できる価格。この2つが揃えば誰でも車を買いますよ」
と答えています。
商品について誇張せず伝えたことについては上に書きましたが、それだけでなくお客さんから好かれるように心がけました。
具体的には以下のことです。
- いい姿勢を持つ
- 清潔な服装をする
- 聞き役に徹する
- 笑顔をあげる
もしあなたが清潔でピシッとした制服を着て、笑顔を絶やさず、商品に関するこちらの悩みを真面目に聞いてくれる店員がいたらどうでしょうか。
きっとこの人から買いたいと思うでしょう。
これらの心がけにより、ジョー・ジラードはギネスブックに載る世界最高のセールスマンとなったのです。
自利利他(じりりた)の精神
このようなジョー・ジラードの営業テクニックを聞くと自利利他(じりりた)という仏教の言葉を思い出します。
京セラの稲盛和夫さんがよく仰っているので、どこかで聞いたことがある言葉かもしれません。
お釈迦様は
「幸せになりたければ相手を幸せにしなさい(自利)。そうすればあなたも幸せになれますよ(利他)」
と言われています。
自利(じり)とは自分の利益と書くように自分の幸せのことです。
利他(りた)とは他人の幸せのことです。
丸い風呂の中でお湯を自分のほうにかき集めても脇から逃げていきますが、前へお湯を押し出せばぐるっと回って自分のほうに返ってきます。
この風呂のように他人のために自分が苦労をする。
そうすると自分だけ損したような気になりますが、そのお返しが返ってきて自分も恵まれます。
逆に、自分さえ良ければいい、自分が幸せになれればいい、他人なんてどうだっていいという考えを我利我利(がりがり)と言い、仏教では嫌われます。
芥川龍之介の『蜘蛛の糸』でカンダッタは、自分が助かりたいがために後から糸を登ってくる人を振り落とし、「ざまあみろ」と笑った瞬間に糸が切れ、自分も落ちていきましたが、カンダッタだけが我利我利(がりがり)で苦しむのではありません。
誇張しても、嘘をついても、勘違いさせても、売ってしまえばこちらのもの、売れさえすればそれでいいという心はないでしょうか。
「他人を蹴落としてでも自分が幸せになれればいいという我利我利(がりがり)ではいけませんよ。相手を幸せにすることで自分も幸せになる自利利他(じりりた)を心がけなさいよ」
と教えられたのがお釈迦さまでした。
まとめ
ジョー・ジラードはお客さんを喜ばせることを最も大事にして、公正な商品説明を心がけ、アフターサービスを重視し、お客さんから好かれて信頼されました。
この心がけからギネスブックに載るほどの大きな成績を上げることができました。
仏教でもこのような自利利他(じりりた)を勧められています。
ジョー・ジラードにならって、相手を喜ばせるということを私も実践していきたいと思います。
こんぎつね
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