信用を得るために大切な意識とは|富山の薬売りに学ぶ信用三本柱
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画お客様サービス係のわかです。
全国のお客様と電話でお話ししていると、会社のある富山県の話になることがあります。
その時によく言われるのが、「富山といえば薬売りだね!」ということです。
富山の売薬は全国的にも有名で、薬膳料理のお店もたくさんあるのです。
富山の薬売りの特徴は、「先用後利」。
「用を先にして、利を後にせよ」ということです。
通常、商売は利益優先ですから、お金を徴収して初めて商品を提供することができます。
ところが、富山の薬売りは、商品を使ってから料金を支払う後払い制。
よほど信用していないとできないことだと思います。
しかし、そういう状況だからこそ、薬売り達はお客さんからの信用を特に大切にしていたのです。
今回は、富山の薬売りが顧客からの信用を得るために心がけていた「信用三本柱」から学んでいきたいと思います。
信用三本柱の根底にあった意識
薬売りの間で、代々語り継がれてきた次のような言葉があるそうです。
「一代限りと思うな。孫の代まで続けるという心がけで、真心をこめて対応し、誠を尽くそう」
(引用:全国配置薬協会 「おきぐすり」の歴史)
商いにおいて、末永く商品を取ってくれるお得意様は多ければ多いほどいいでしょう。
しかし、お得意様になってもらうのは並大抵のことではありません。
そこには少なからず、お店側の努力が必要です。
一般的な人間関係で考えてみた時、しばらくの間の付き合いでいいや、と思えば接し方が雑になります。
長く付き合いを続けていきたいと思えばこそ、相手のことを考えた丁寧な接し方ができるのです。
まず、「長く関係を続けたい」という意識を持つところから、真心込めた対応も出てくるのでしょう。
信用三本柱から私たちが学べること
では、長く関係を続けるためにはどうしたらいいか。
そこで出てきたのが「信用三本柱」です。
一つには「商いの信用」、二つには「薬の信用」、そして三つ目が「人の信用」です。
これは商売において非常に大事なことですが、私たちの日常生活にとっても大事なことが教えられていると思いますので、ここから学べることを見ていきます。
①商いの信用
顧客との間にトラブルを起こさず、不正な商売をしないように心がけることです。
一円も誤りなく、正確に取引をすることで信用につながるのです。
これは商売においては鉄則ですよね。
お金がすべてではないとは言いつつも、世の中ほとんどのことはお金で回っています。
だからこそ、人は金銭のことには敏感です。
損をするようなことがあったら、決して相手はこちらのことを信用してくれないでしょう。
仕事上の金銭の管理に気を張るのは当然のことですが、自分自身の金銭のこともしっかり管理をすることが大事なのです。
一番大事なお金の管理ができる人には、「自分を決して損させることはない」と、自然と信用も集まってくるのです。
②薬の信用
有効で安全な品質の高い薬を提供することです。
そのためには、絶えず顧客の求める薬を研究し、品質開発に努めなければなりません。
顧客のニーズは絶えず変化していくので、常に研究工夫を重ねていくことが大切なのですね。
「現状維持 即是後退(げんじょういじ そくぜこうたい)」という言葉を聞いたことがあります。
私たちは、仕事でも、人間関係でも、趣味でも、安定した期間に入ると「これ以上良くならなくてもいいから、このままの状態が続けばいいな」と現状維持を望みます。
しかし、何事もずっと続くものはありません。
商品が売れたからといって、何の改良もせずにそのままでいれば、顧客はそのうち飽きてきます。
絶えず変化する顧客のニーズに合わせて、商品も変えていかなければ、顧客は離れて行ってしまうでしょう。
毎日1歩でも半歩でもいいから向上する。
その心がけが自分自身を磨き、また、努力を惜しまない姿は一層の信用を集めるはずです。
③人の信用
「信用三本柱」の中でも、これが最も重視されていたそうです。
顧客の悩み相談に乗って、適切なアドバイスを行ったり、励ましたりすることで信頼関係が作られていくということです。
売り手と買い手という関係であっても、結局は個人対個人の人間関係。
企業のイメージは社員の振る舞いで決まるとも聞きますが、人は企業ではなく、そこで接した人を信用するのです。
自分の利益優先ではなく、相手の利益優先で動けるかどうか。
そこに信用を作る鍵があるのですね。
まとめ
「儲ける」という字は「『信』用のある『者』」と書きます。
お金のことだけでなく、最終的に恵まれる人というのは、相手のことを考えて動ける人なのだなあと分かりました。
仕事上はもちろんですが、個人としても、誠実で努力を惜しまない、温かみのある人柄が信用を作るのですね。
私も少しでも近づけるように頑張りたいと思います!
こちらの記事でも、信用を作るための心がけを紹介しています。
社交辞令で信用を失っていませんか?|信用されるための大事な心がけ
わか
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