一生懸命努力しても上達しないあなたへ|上達のための2つの時間
こんにちは。暮らしを良くする研究家のこんぎつねです。
あなたは一生懸命やっているのに上達しないことはありませんか?
毎日一生懸命仕事をしていても、家族のためにがんばっていても、友人のために自分の時間を割いていても、以前よりも仕事の成果や他人との関係がたいして良くなっていない、ということはないでしょうか?
効果的な学習をサポートするMindset Works社を設立したエドアルド・ブリセーニョは仕事のことでも家庭のことでも自分の趣味のことでも、もっと進歩するにはどうしたらいいか、ということについて過去の講演(動画に飛びます)の中で、ただ毎日を忙しく過ごすのではなく、自分の時間を学習領域と実行領域の2つに分けるよう勧めています。
学習領域と実行領域
効率が良い人やチームは自分やチームの時間を学習領域と実行領域とに切り替えています。
学習領域とは上達することを目的として、まだ習得していないことを集中して学ぶ時間を言います。
学習領域ではどれだけ失敗してもかまわず、失敗が成功の元になります。
実行領域では可能な限りベストを尽くし、物事を実践します。
そのため実行領域では既に習得したことを実行し、失敗を最小限にしようとします。
実行領域では現在抱えているやるべきことを行い、学習領域では自身の成長や将来の成果のために学習します。
私たちの多くが一生懸命やってもたいして上達しないのは、実行領域に大半の時間を費やすからです。
学習領域として勉強や反復練習をすることで、今まで以上のことができるようになります。
できれば慣れた人にコーチをしてもらうと、より早く上達します。
熟練者はどうすればよりうまくなれるか、最短の練習方法は何か、ということについて詳しいからです。
上達しない理由
調査によると、働きだして最初の数年間がすぎると、能力が伸び悩みます。
「自分はこの分野に対して十分ベテランになった」
と思って、学習領域に時間を割かなくなるせいです。
これは学校の教員、医師、看護やその他の領域で数多く見られます。
仏教では私たちには慢(まん)という心があると言われています。
慢とはうぬぼれ心のことです。
「人間には、自分より劣った相手に対しても、自分と同程度の相手に対しても、自分より優れた相手に対してもうぬぼれる心がある」
と教えられます。
「自分はあいつよりも優れている。自分のほうが上だ」
「あいつはこの点では自分と同等だが、他のこういう点では自分が勝っている。だから自分のほうが上だ」
「あいつはこの点では自分より優れているかもしれないが、この点では自分のほうが勝っている。だから本当は自分のほうが上なんだ」
と誰に対しても自分が上だと思うのです。
働きだして数年が経つと仕事に慣れてきます。
後輩も増え、ある程度の役に就くようになると新たな挑戦をする気持ちが薄くなり、現状に対して
「これでいいんだ。このままでいいんだ。自分ががんばって作ってきた今が最高なんだ」
と思いやすく、うぬぼれやすくなります。
自分よりできていない後輩や話を聞かない上司に対して
「あいつはあそこが悪い。こいつはここが悪い」
と心の中で指摘していると自分がすごく優秀な人間のように思えてきます。
そうして学習領域に時間を割かなくなっていきます。
仕事に時間を費やしても上達には結びつきませんが、学習領域に時間を費やし続ける人は常に上達し続けます。
学習領域にも実行領域にも時間を使いたいと思ったら、学習領域により多くの時間を割けばやがて実行領域に良い影響を与え、今までよりも早く仕事が終わるようになります。
では学習領域ではどのようなことをすればいいのでしょうか?
学習領域ですべき4つのこと
学習領域ですべきことは以下の4つです。
- 学習により上達することを信じる(成長思考)
- 目標を持ち、目標達成のために必要な能力を見つける
- その能力を手に入れるために足らない知識を補い、出来ていないことを克服する
- 失敗してもいい状況で練習する
具体的に資格試験の勉強に例えますと、
- 勉強すれば資格が取れることを信じる
- 資格試験に合格するために学ばなければならないことをできるだけ細かく見つける
- その資格に関する本を読んだり講座を受講して合格のために足らない部分を埋めていく
- 問題集や過去問を解く
チームで目標を立てている場合にはチーム全体で向上していかなければなりません。
チームが成長するためには、いつどちらの領域にいることが望ましいのか、チーム内で話し合うことです。
「何を目指したいのか?どうやって上達していくのか?」
「実践の中で失敗を最小限にしたいのはどんな時か?」
などです。
話し合うことでチームはどこに向かっていて、いつ、どのようにお互いを最適にサポートできるのかが明確になります。
ではそういう話し合いができない環境ならばどうすればいいのでしょうか?
チームのために個人でできる3つのこと
チーム全体で話し合いができない場合でも個人でできることが3つあります。
- 信頼できる同僚を見つけ、その同僚と話し合ったり、アイデアを出し合ったり、進捗状況について意見交換をする
- 仕事はきちんとしながら、チームの仕事やメンバーを観察し、反省し、改善する
- 自分が率先して、何を上達したいのか人に伝え、知らないことは質問し、改善点を求め、失敗やそこから得たものを全体に共有することで、同じことをしても安全だとみんなに知らせる
仏教では「他人を幸せにすれば自分に幸せが返ってくる(自利利他:じりりた)。他人の悪い行動を見て見ぬふりすれば自分に悪い結果が回ってきて、自分も他人も損をする(自損損他:じそんそんた)」と教えられています。
みんなが動かないから自分も動かない、では自損損他(じそんそんた)で自分もチームも損をします。
みんなが動かないならばまず自分が動いてチームを巻き込んでいこうという姿勢によって自分もチームも上達していくのです。
まとめ
学習領域と実行領域を切り分け、学習領域に時間を割くことで際限なく上達することができます。
多くの人は実行領域ばかりに時間を割いて、学習領域に時間を割くことを忘れています。
自分やチームが抱える問題を克服するには、目標を立てて練習し、仲間に意見を聞いて取り入れ、自分が気づいたことをチーム全体に還元することで、自分もチームも向上することができます。
でもチームみんなでがんばっていこうと思っても、なかなか動いてくれない人もいます。
そんな人をどう受け止め、どう対処すればいいのかについてこちらで紹介しています。
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こんぎつね
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